
自動車用途向けに、高性能及びコストパフォーマンスの良い ホール効果2D位置センサを発表
- HAL/R 35xy*はセーフティークリティカルな車載アプリケーション向けに性能を強化したASIL C対応、外乱磁場補正機能が付く2D位置センサ
- HAL 3550(シングルダイ)とHAR 3550(デュアルダイ)の2品番があり、両品番ともアナログ出力(リニア、レシオメトリック)及びデジタル出力インターフェース(PWM、SENT、スイッチ)を装備
- TDKミクロナスブランドの主力製品HAL/R 39xyをベースに、性能と機能安全レベルを維持しながら、コスト重視オプションを提供
- ステアリングアングル検知、ブレーキペダル又はアクセルペダルの位置検知、バルブ開閉位置検知、シャーシ位置検知等のアプリケーションに最適**
2025年4月8日
TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、自動車及び産業機器アプリケーション向けに、新しいミクロナスブランドのHAL/HAR 3550 2Dホール位置センサを発表します。直線動作及び角度検知向けに外乱磁場補正機能付き2D位置センサへのニーズが高まっている中、本センサは主力シリーズHAL/R 39xyをベースに開発され、優れた機能と性能を提供します。HAL/R 39xyファミリーは、設計の柔軟性、多様な機能とインターフェース、優れたパフォーマンスを重視した製品であることに対して、HAL/R 35xyは高度な性能と機能安全性を維持しつつ、設計の柔軟性を抑えながら、主要なアプリケーションに要求されるコア機能に限定して搭載しています。HAL/R 35xyは多彩なプログラミング、高精度、ISO 26262への準拠により、アクセルペダル、ブレーキペダルのポジション検知またはブレーキストロークセンサ、ステアリング角度検知、スロットルなどのバルブ開閉位置検知、シフターポジション、非接触ポテンショメーター、トランスミッションポジション検知、シャーシ高さ検知など、高い安全性が求められる自動車アプリケーションに対して最適なソリューションです**。 サンプルは既に提供可能で、2025年6月の量産開始を予定しています。
新しいセンサシリーズでは、シングルダイバージョンのHAL 3550と、二つの完全独立したセンサ・ダイを一つのパッケージに内蔵したデュアルダイバージョンのHAR 3550をラインアップしています。HAL 3550とHAR 3550はISO 26262に準拠し設計開発され、厳格な機能安全要求を満たしているASIL-C相当のSEooC (Safety Element out of Context ) であるため、ASIL-Dを要求する車載アプリケーションに搭載可能です。
HAL 3550とHAR 3550は精確な位置検知用に設計された高分解能ポジションセンサです。パッシブワイヤブレーキ診断機能を持つレシオメトリックアナログ出力と、選択可能なPWMまたはSENT出力インターフェースを備えています。SENTモードはSAE J2716 rev. 4に準拠し、ポーズパルス有りと無しの通信をサポートすることと、ティックタイムやフレームフォーマットなどのパラメータも設定可能です。PWM出力は、周波数レンジ 0. 1KHz~2KHzに対し柔軟に対応できます。さらに、HAL/HAR 3550はスイッチ出力(オープンドレイン)も備えており、センサが検知算出した位置データ、またはシグナルパスに沿った温度や磁場振幅などの情報をスイッチの信号源として活用できます。また、スイッチのスイッチングポイント、スイッチングロジック、反応極性をユーザーがアプリケーションの仕様に合わせて定義できます。
HAL/HAR 3550は360°の角度範囲と磁石の直線動作を検知できます。また、備え付きのモジュラー機能により、360°の測定レンジを90°、120°、180°のセグメントに分割し、精確な測定ができるため、特にシャーシ位置検知に最適です。
本センサに採用しているホール技術により、HAL/HAR 3550はパッケージに垂直および水平の磁場を直接計測します。また、ホールプレートアレー技術を使用し、外乱磁場の影響を補正した高精度な計測ができるため、回転検知にシンプルで低コストの2極フェライト磁石を使用することが可能です。回転検知は、軸上(on-Axis)に配置することを推奨しますが、外周検知(off-Axis)の場合も外乱磁場補正が可能です。
HAL/HAR 3550のオンチップ信号処理機能により、印可された磁場強度からダイごとに回転角度を算出し、その結果をアナログ出力またはデジタル信号に変換します。また、ゲイン、オフセット、参照位置などの主要パラメータも不発揮性メモリをプログラミングすることによって、特定の磁気回路に合わせて調整できます。
当該製品は、自動車および産業機器向けのアプリケーション向けに設計開発されており、-40 °C~150 °Cの周囲温度範囲で動作します。HAL 3550シングルダイバージョン はSOIC8 SMDパッケージ、HAR 3550デュアルダイバージョンはTSSOP16パッケージにてご提供します。
主な用途**
- アクセルペダルポジション検知
- ブレーキペダルポジション検知/ ブレーキストロークセンサ
- ステアリング角度検知
- バルブ開閉位置検知(スロットル等)
- シフターポジション
- 非接触ポテンショメーター
- トランスミッションポジション検知
- シャーシ高さ検知
主な特長と利点***
- 高精度な360°回転検知および直線動作検知が可能
- 外乱磁場補正機能付き
- ISO 26262 に準拠して開発されたASIL-C対応SEooCであり、機能安全性を求めるシステムに最適
- 幅広い電源電圧範囲:4V~18V
- 過電圧および逆電圧保護機能付き
- VSUP低電圧および過電圧検出機能付き
- ユーザーが選択可能なアナログ(12bit レシオメトリック)、PWM または SENT出力インターフェース、スイッチングロジックを設定可能なスイッチ出力(オープンドレイン)を装備
- 広い動作温度範囲:Ta -40°C~150°C
- 出力ピンを介して書き込み可能なことにより、追加のプログラミング端子不要
- 出力ゲイン及びオフセット、基準位置、温度によるオフセット等多様な設定・プログラミング可能パラメータ
品番 | パッケージ タイプ | 出力 フォーマット | 角度 エラー | 磁場範囲 | 機能安全 |
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HAL 3550 | SOIC8 | アナログ, SENT, PWM ,スイッチ | ±0.9° | 10 mT … 200 mT | ISO 26262:2018に準拠した開発、 ASIL C 対応 |
HAR 3550 | TSSOP16 |
* HAL/HAR 39xy および HAL 35xy は、フラウンホーファー集積回路研究所(IlS)のライセンスを使用
** 当社製品において言及したすべての対象アプリケーションは、実現目的/機能への適合性を主張しておらず、システムでの検証が必要
*** すべての動作パラメータは、実際のアプリケーションごとにお客様にて検証が必要
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。 独自の磁性素材技術をそのDNAとし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。
当社は各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2024年3月期の売上は約2兆1,030億円、従業員総数は全世界で約101,000人です。
製品の詳細情報は https://www.micronas.tdk.com/ja/products/angle-sensors/hal-35xy. で参照できます。