HAL® 10xy
プログラム可能なホール・スイッチ
概要
HAL 1000は、標準的なホール・スイッチと異なりプログラム可能なホール・スイッチです。 アプリケーションに応じて2つのスイッチ・ポイントであるBonならびにBoffを変更できることが特長です。
HAL 1000は、温度補正ならびにオフセット補正されたホール素子、A/Dコンバータ、デジタル信号処理、プッシュ・プル出力、冗長性ならびにロック機能を備えたEEPROMメモリ、EEPROMをプログラムするためのシリアル・インターフェース、そしてすべてのピンに保護回路を内蔵しています。
デジタル信号処理のため、アナログ・オフセット、温度シフト、機械的ストレスはセンサ精度を劣化させません。
HAL 1000は、電源電圧に変調をかけることでプログラムするため、新たにプログラミング・ピンを追加する必要がありません。センサ、磁石、そして取り付け位置のバラつきは、製造の最終工程においてユーザのプログラミングにより補正することが可能です。今までキャリブレーションのために機械的な調整、レーザー・トリミングを必要としていたアプリケーションにおいて低コスト化が可能になります。
厳しい環境にさらされる自動車・産業機器向けに設計されており、電源電圧5V、ジャンクション温度- 40 °C~170°Cで動作します。
HAL 1000はリード・パッケージTO92UTで提供されます。
ブロック図 – システム・アーキテクチャ
HAL 1000は、モノリシック集積回路でデジタル信号を出力します。また、HAL 8xy センサをベースに設計されています。コンパレータ前のすべてのブロックは HAL 810 と同じ構成で、類似の信号処理を用いています。
ホール素子はS極、N極に反応します。パッケージの正面に垂直な外部磁界によりホール電圧を生成します。この電圧はデジタル値に変換され、EEPROMレジスタの設定によりデジタル信号処理を行います。
LOCKレジスタの設定をおこなうとEEPROMのプラグラムを行うことはできなくなります。このレジスタはリセットすることができず、誤動作でロックが解除されることはありません。
LOCKレジスタが設定されていない状態で、EEPROMレジスタをプログラムすることで出力特性を調整することができます。センサは電源電圧を変調することでプログラムすることができます。4.5 V~5.5 Vの動作電源電圧範囲内でセンサは、アナログ出力のための電圧を生成します。命令を受けるとセンサは、出力ピンを通しデジタル信号で結果を書き込みあるいは読み出します。デジタル出力は通信している間オフに切り替わります。
内蔵された温度補正回路とチョッパ補正はスイッチング・ポイントのドリフトを動作温度範囲内で最小限にします。パッケージの機械的なストレスを受けないようにする回路を搭載しています。不揮発性メモリは、冗長性のあるEEPROMセルで構成されています。
さらに、すべてのピンに対する過大電圧と逆電圧保護回路を内蔵しています。