次世代組み込みモータ・コントローラ HVC5xシリーズをラインナップに追加
- HVC5221Dは500mAの出力を4つ備えたステッパーモータ、ブラシレスモータ(BLDC)、ブラシ付 モータ(BDC)のコントローラで、32KバイトのフラッシュメモリとLINインターフェースを搭載
- HVC5222Cは1Aの出力を3つ備えたBLDCまたはBDC用のコントローラで、32Kバイトのフラッシュメモ リとLINインターフェースを搭載
2023年2月16日
TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、Micronasブランドの組み込みモータ・コントローラにHVC5xシリーズを加え、 製品ラインアップを拡張しました。
HVC5xシリーズはプログラミングが可能なシステム・オン・チップ(SoC)モータ・コントローラで、自動車や産業機器に使われる小型ステッパーモータ、BLDCおよびBDCの駆動制御を行います。このHVC5xシリーズは、”ワンチップで、ステッパーモータ、BLDC、BDCの全てに対応できるモータ制御ソリューションを提供する”というコンセプトが受け入れられ、幅広く採用されているHVC4xシリーズを更に最適化した製品です。HVC5221Dおよび HVC5222Cは、特定のモータタイプに特化することにより、低コスト化とシステムの更なる小型化に寄与します。サンプルは既に提供中で、量産は2024年の初旬を予定しています。
既存のHVC4xシリーズに新製品HVC5xシリーズの2品名が加わることで、TDKが提供できるモータ制御ソリューションのポートフォリオは大きく広がり、特に、電気自動車やハイブリッド車の熱制御システム用のアクチュエータでの需要を見込んでいます。HVC5221Dはそれぞれのピーク電流が500mAの出力端子を4つ備え、拡張バルブや水冷バルブ用のステッピングモータおよびDCモータでの使用を想定しています。HVC5222Cは出力端子を3つ備え、フェーズ当たりの最大電流が1Aまでのグリルシャッターや小型ファン用のBLDCに適しています。* 両デバイスともに、7つの汎用入出力ポートや様々な車載用の診断・安全機能を備え、小型の24ピンQFNパッケージで提供します。HVC5xシリーズはピン互換性をもっており、設計や拡張性を容易にします。
HVC4xシリーズとHVC5xシリーズの共通項目:
- 32ビットのARM® Cortex®-M3 CPUコア
- 20MHzシステムと35kHウォッチドッグオシレーター
- 2kあるいは4kのSRAMを備えた32kないし64kのフラッシュメモリ
- 各種計測用の12ビット、1マイクロセカンドのアナログ・デジタル・コンバータ
- モータ制御をサポートするデジタル周辺機能
- LINトランシーバとBSM方式を用いた通信およびオートアドレッシング機能用UART回路 **
- AEC-Q100規格 温度グレード1に準拠した認定品
用語集
- SRAM = Static RAM, volatile memory without the need to refresh
- ADC = Analog/Digital Converter
- LIN = Local Interconnect Network
- UART = Universal Asynchronous Receiver/Transmitter
- NVR= Non-volatile Register
主な用途**
- 冷媒用膨張弁
- クーラント分配用バルブ
- シート冷却ファン・暖房用ファン
- 車載エアコンのフラップ
- 自動車のサンルーフ
- 自動車のグリルシャッター
- チャージドアアクチュエーター
Key data***
品番 | HVC 5221D | HVC 5222C |
出力端子数 | 4ピン | 3ピン |
出力電流/駆動電流 | 500 mA (ピーク) | 1 A (ピーク) |
オン抵抗(ハイサイド、ローサイドMOSFET) | 3 Ω | 1.8 Ω |
電流検出方法 | 内部および外付けシャント抵抗 | 外付けシャント抵抗 |
CPUコア | 32-bit ARM® Cortex®-M3 CPU core | |
Flash memory | 32 KB | |
RAM | 2 KB | |
EEPROM | 512 byte | |
NVR | 256 byte | |
パッケージ | 5 x 5 mm2, 24-pin PQFN |
*ターゲット・アプリケーションは一例で、システム・レベルで確認いただく必要があります。
**IP-Notice: If LIN auto-addressing features are used, third-party rights such as EP 1490 772 B should be considered.
***すべての動作パラメータは、実際のアプリケーションごとにお客様によって検証いただく必要があります。
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。 独自の磁性素材技術をそのDNAとし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。
当社は各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2022年3月期の売上は約1兆9,000億円で、従業員総数は全世界で約117,000人です。
TDK ミクロナスについて
TDK ミクロナスは、TDKにおける磁気センサとそのCMOSプロセスへのインテグレーションのコンピテンス・センターです。TDK ミクロナスは、四半世紀以上のセンサとアクチュエータを自社一貫生産で製造してきた優れた経験を有しています。1993年、初めてのCMOSテクノロジを用いたホールセンサを発表して以来、自動車/産業機器向けに50億個を超えるセンサを出荷しました。事業本部はフライブルク・イム・ブライスガウにあります。従業員数は約1000 人です。
本文および関連する画像はhttps://www.micronas.tdk.com/en/products/embedded-motor-controllers/hvc-5xからダウンロードできます。