メモリ拡張を完全統合した車載用組み込みモータ・コントローラについて
- 64 KB フラッシュ・メモリと4 KB SRAMを備えた新しい組み込みモータ・コントローラ
- 自動車メーカーの要件を満たす、スマート・アクチュエータにおける拡張された診断機能
- 2月26日~28日、ニュルンベルク(ドイツ)のEmbedded Worldに出展
2019年2月19日
TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、本日、子会社で磁気センサならびに組み込みモータ・コントローラ・メーカーであるTDK-Micronas(以下、TDKミクロナス)が新たに組み込みモータ・コントローラ、HVC 4420Fを製品ポートフォリオに加わったことを発表します。HVC 4420F は小型ブラシ付き、ステッパ、ブラシレスDCモータを駆動するフラッシュ・メモリが増設されました。昨今の自動車業界のスマート・アクチュエータでの診断機能への要求を満たすように新たに設計されています。サンプル出荷は2019年3月、量産は2020年を予定しています。
フラッシュ・メモリを64 KB、SRAM を4 KBに増設することで、HVC 4420F は、自動車メーカーからの増え続ける機能や診断機能に対する要求に応じます。診断機能には、センサ・データの解析やアクチュエータの状況、それに基づく動作など、自動車メーカー独自の考えやアプローチが使用されます。データ解析を確実なものにするために、自動車メーカーのフレームワークを正確に統合する一方で、基盤となるハードウェアの診断機能を実行するソフトウェアが実装される必要があります。増設されたメモリと組み込み診断機能により、HVC 4420F は、ストレージ領域と独自のスマート・アクチュエータにおける実行処理機能を提供します。
HVC 4420F は、ミクロナスのスマート・アクチュエータ向け高電圧コントローラ製品ファミリ(HVC)のひとつです。自動車業界向けや産業機器向けに小型で低廉なシステム・コストを実現するため、幅広い追加機能を備えたARM® 標準コントローラ・コアを搭載しています。64 KB フラッシュ・メモリを備え、 32-bit CPU コア(ARM® Cortex®-M3)により駆動するHVC 4420F には、タイマ、カウンタ、割り込みコントローラ、マルチチャネルADコンバータ、SPI、安全にかかわるアプリケーションでは重要な診断機能付き拡張PWMが統合されています。LIN 2.x トランシーバを備えたLIN UART は、電圧レギュレータとともにデバイスを自動車ボード電源(5.4 V – 18 V)に直結可能にし、外部部品を必要としません。電力管理モードは低消費電力を実現します。統合されたさまざまな診断機能や仮想スター・ポイント・リファレンスを備えたコンパレータ、電流スケーリング、プログラム可能なゲイン・アンプなどのアナログ回路によりユーザは、部品数を最小限に抑えることができます。
高い計算能力により、HVC 4420Fは、PMSM向け空間ベクトル変調(SVM)やセンサ/センサレス6段階転流のような複雑なモータ制御アルゴリズムを実現します。
HVC 4420F は、リリース可能で柔軟性が高く、洗練された通信機能を持つパラメータ設定可能なファームウェア、監視/電源管理機能(ASIL A対応)、コンフィギュレーション・ツールをオプションで購入することができます。顧客は、このファームウェアをベースにアプリケーション・ソフトウェアを開発し、効率よく効果的なモータとモータ制御の設計に劇的な開発期間の削減を実現することができます。
HVC 4420F は、2019年2月26日~28日、ニュルンベルクで開催される展示会Embedded Worldに初めて出展されます。(TDKホール3A、小間番号438)
用語集
- SRAM = Static RAM、リフレッシュ不要な不揮発性メモリ
- Multichannel ADC = 選択可能なマルチ入力チャネルADコンバータ
- PWM = Pulse Width Modulation、パルス幅変調
- LIN = Local Interconnect Network
- UART = Universal Asynchronous Receiver Transmitter
主な用途
- グリル・シャッター
- スマート・バルブ/ポンプ
- 空調フラップ
主要な特長と利点
- 完全統合
- 自動車メーカー診断機能サポート
- 再利用可能、柔軟性
主な仕様
型番 | HVC 4420F |
パッケージ | QFN40 |
動作温度範囲 | Automotive Grade-1 |
組み込みコア | ARM® Cortex M3® |
駆動 | 最大1 A |
診断機能 | ハードウェア、ソフトウェアにより組み込み |
サンプル供給 | 2019年3月 |
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。
主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。2018年3月期の売上は約1兆2000億円で、従業員総数は全世界で約103,000人です。
TDK ミクロナスについて
TDK ミクロナスは、ホールセンサならびにモータ制御コントローラの開発、設計、製造を担う専業メーカーです。世界各地の主要なカー・エレクトロニクス・メーカに、価値ある製品とソリューションを提供し続けてきました。事業本部はフライブルク・イム・ブライスガウにあります。従業員数は約1000 人です。会社概要と製品の詳細についてはwww.micronas.tdk.com で紹介しています。
本文および関連する画像はwww.micronas.tdk.com/pressreleases からダウンロードできます。
製品の詳細情報は www.micronas.tdk.com.で参照できます。