メモリ、制御性能、信頼性を向上させた組み込みモーターコントローラーを発表
- ピーク出力電流1Aの端子を4つ備え、ブラシレスDC(BLDC)モーター、ブラシ付きDC(BDC)モーター、ステッピングモーターの駆動が可能
- 4KB SRAM、2KB EEPROM、32KBと64KB 2種類のフラッシュメモリを搭載
- ISO 26262に従い、ASIL B対応のSEooC (Safety element out of context)
2024年4月4日
TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、小型ブラシ付きモーター(BDC)、ブラシレスモーター(BLDC)およびステッピングモーターを駆動させるMicronasブランドの組み込み統合マイコンHVC5xシリーズにHVC5222DとVC5422Dを追加、ラインナップを更に拡充します。既に量産供給中で御好評を頂いているHVC 5221Dとのピン交換性を維持しながら駆動電流、SRAMを2倍に、EEPROMを4倍に増量しました。サンプルは既に提供可能で、量産は2025年第一四半期の開始を予定しています。
最新の統合マイコンHVC 5222DとHVC 5422Dは、それぞれ32KBと64KBのフラッシュメモリを搭載し、フェーズ当たりのピーク電流が1AのBLDCおよびステッピングモーター 、ピーク電流2AのDCモーターをサポートします。マイクロステップ用電流プログラミング機能をはじめとする先端のモーターに特有の機能、位相コンパレータ、仮想スタートポイント、センサ付きおよびセンサレスモーター制御用電流検出アンプが装備され、ISO26262規格を満たし、機能安全を要求するアプリケーションに適しています。
HVCシリーズは、完全統合型デバイスとして9種類まで拡張されました。3~6本の出力端子を備え、フェーズ当たりの出力ピーク電流が500mAから2Aまでを実現しております。すべての品番は32-bit Arm® Cortex®-M3 CPUコアを搭載し、フラッシュメモリは32KBと64KBの2つのオプションを提供します。また、多様な測定に対応できるようADCを搭載しています。本統合マイコンシリーズはTDKホールセンサ、TMRセンサの出力信号ともよどみなく通信することができます。さらに、通信とBMS方式を使用したオートアドレッシング* 機能用LINトランシーバーとLIN UARTも組み込み、汎用性を高めました。 LINピンによるPWM制御もサポートします。すべての品番は車載用半導体IC用認定基準の温度グレード1を満たしており(AEC-Q100準拠)、高い信頼性を持ち、電力要求が30Wまでの自動車および産業用アプリケーションに対応します。
用語集
- AEC-Q100: Qualification standard for automotive applications
- ADC: Analog to Digital Converter
- BDC: Brushed DC motor
- BLDC: Brushless DC motor
- BSM: Bus Shunt Method for LIN auto addressing*
- CPU: Central Processing Unit
- Grade 1: Ambient temperature 125 ºC, junction temperature 150 ºC
- HVC: High Voltage Microcontrollers
- LIN: Local Interconnect Network for automotive applications
- QFN: Quad Flat No Lead package
- UART: Universal Asynchronous Receiver / Transmitter
主な用途**
- エンジン車および電気自動車に搭載されるスマートアクチュエータ
主要データ***
型番 | HVC 5222D | HVC 5422D |
モーター端子 | 4 | |
駆動電流 | ピーク電流1A | |
ハイサイド・ローサイドのオン抵抗 | 電源経路総抵抗 < 3.2 Ohm(Ω) | |
電流測定 | 内部または外付けシャント抵抗 | |
マイクロコントローラ | Arm® Cortex®-M3 | |
フラッシュメモリ | 32 KB | 64 KB |
RAM | 4 KB SRAM | |
EEPROM(エミュレート) | 2 KB | |
NVR(不揮発性RAM) | 1 KB | |
パッケージ | 5x5 mm2 , 24-pin PQFN エクスポーズドパッド |
* IP-Notice: LIN オートアドレッシング機能をご使用される場合、他社特許EP 1490 772 Bを考慮する必要がある。
** 当社製品にて言及したすべての対象アプリケーションは、実現目的/機能への適合性を主張しなく、システムでの ご検証が必要となる
*** すべての動作パラメータは、実際のアプリケーションごとにお客様にてご検証いただく必要があります。
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。 独自の磁性素材技術をそのDNAとし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。
当社は各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2023年3月期の売上は約2兆1,800億円、従業員総数は全世界で約103,000人です。
製品の詳細情報は https://www.micronas.tdk.com/en/products/embedded-motor-controllers/hvc-5x からご参照できます。