コンデンサ内蔵型の外乱磁場補正機能を備えた3D HAL® センサをラインナップに追加
- 均一外乱磁場と磁場振幅勾配を含む外乱磁場補正機能を備えた新しい 3D センサ
- コンデンサを内蔵した TO92UF 3ピン・パッケージ
- PWM、SENT、PSI5デジタル・インターフェースをサポート
2021年6月17日
TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、新たにコンデンサを内蔵したHAC® 39xy* を開発し、ミクロナス・ブランドの外乱磁場補正機能を備えた自動車ならびに産業機器向け3D HAL® 磁気センサ製品ポートフォリオが拡充されたことを発表します。HAC 39xyはプリント回路基板(PCB)を用いないアプリケーション向けに設計されており、TO92UFパッケージで提供されます。外乱磁場補正機能を備えている HAL® 39xy* 製品ファミリは、静電容量330nFまでのコンデンサを2つまで内蔵することができ、バルブやアクチュエータ、ギア・シフタ、トランスミッション・システム、ブレーキ・ストロークの位置検出など、幅広いアプリケーション**に適しています。また、PSI5 インターフェースを備えているため、シャーシ位置検出で要求される最新の仕様を満します。
HAC 39xy 製品ファミリは、フェライト製 2 極磁石を使用して最大 360° の回転角度を、2 極棒磁石を使用して最長 35 mm の直動位置を測定可能です。この2つの測定では外乱磁場補正にも対応し、2つの独立した角度情報を用いて3D測定を行うことも可能です。 SENTインターフェースにより2つの角度情報を送信することができ、センサ自体は高い ESD 耐性を保持し、厳しい EMC の要求をすべて満たします。現在、本製品のサンプルは提供中で、量産開始は2021年末を予定しています。
HAC 39xy センサのコアは、特許取得済みの 3D HAL ピクセル・セル技術で、外乱磁場に強く高精度で磁場を測定します。 masterHAL® センサの独自のコンセプトは、ホール・プレートの配列に基づいています。様々な設計要求に柔軟に対応できるセンサ・アレイにより、設計エンジニアなどユーザは、最適な測定モードを選択することができます。
HAC39xyには、高速信号処理を行うDSP、インターフェース設定や機能安全関連タスクの監視を行うマイクロコントローラなどが搭載されていて、柔軟性のある幅広い設定が可能です。革新的なアーキテクチャによりユーザは、新しいソリューションをより簡単に開発することができます。またSENT や PSI5 などのインターフェースを簡単に変更することができます。
TO92UFパッケージのピンは、リード・フレームに直接溶接あるいははんだ付けできるため、プリント回路基板(PCB)が不要となり、システム全体のサイズとコストを削減します。また、システム全体の信頼性も長期にわたり継続します。
用語集
- 3D HAL® ピクセル・セル:X軸、Y軸、Z軸の磁界を直接計測
- 外乱磁場補正:ハイブリッド車や電気自動車(xHEV)のモータやワイヤーハーネスにより発生する外乱磁場に影響を受けないホールセンサ
- masterHAL®:外乱磁場補正機能を備え、柔軟性の高いアーキテクチャを持つ3Dポジション・センサの登録商標
主要アプリケーション**
- 冷却バルブ、EGR、ターボチャージャなどのバルブやアクチュエータ
- ギア・シフタ
- ブレーキ位置検出
- トランスミッション・システムの位置検出
- シャーシ位置検出
- 充電コネクタ・ロック・アクチュエータ位置検出
主な特長と利点***
- ISO 11452-8の要件を満たす外乱磁場に対して堅牢な位置検出(直線と360°の回転計測)
- 磁場振幅勾配を含む外乱磁場補正 (180°の回転計測)
- X軸、Y軸、Z軸の磁界を計測する真の 3D
- 2つまでの計算された角度、角速度、磁界振幅、チップ温度などの位置情報を伝達
- 機能安全用途でISO 26262に準拠したSEooC ASIL B-ready 対応
- 3.0 V~18 Vの幅広い電源電圧
- - 40 °C~160 °Cの幅広い動作周囲温度で自動車向けに最適
- コンデンサ内蔵 TO92UF 3ピン・パッケージ
主要データ
型番 | HAC 3930、HAC 3960、HAC 3980 |
パッケージ | TO92UF |
デジタル出力フォーマット | PWM (2-/3-wire) 、SENT、PSI5 |
角度精度 | ±0.5° (磁束密度10 mT時) |
検知磁場強度 | 10 mT~130 mT |
機能安全 | ISO 26262に基づいて開発されたASIL-B ready |
* HAL 39xy とHAC 39xyは、フラウンホーファー集積回路研究所(IlS)のライセンスを使用しています。
** ターゲット・アプリケーションは一例で、システム・レベルで確認される必要があります。
*** すべての動作パラメータは、実際のアプリケーションごとにお客様により検証される必要があります。
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。 独自の磁性素材技術をそのDNAとし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。当社は各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2021年3月期の売上は約1兆4790億円で、従業員総数は全世界で約129,000人です。
TDK ミクロナスについて
TDK ミクロナスは、TDKにおける磁気センサとそのCMOSプロセスへのインテグレーションのコンピテンス・センターです。TDK ミクロナスは、四半世紀以上のセンサとアクチュエータを自社一貫生産で製造してきた優れた経験を有しています。1993年、初めてのCMOSテクノロジを用いたホールセンサを発表して以来、自動車/産業機器向けに50億個を超えるセンサを出荷しました。事業本部はフライブルク・イム・ブライスガウにあります。従業員数は約1000 人です。
本文および関連する画像はhttps://www.micronas.tdk.com/ja/tradenews/pr2104からダウンロードいただけます。
製品の詳細情報はhttps://www.micronas.tdk.com/en/products/direct-angle-sensors/hal-39xyで参照いただけます。