ミクロナス、キャパシタを内蔵したEMC 規格向け 超小型リニア・ホールセンサを発表
オートモーティブの厳しいEMC 規格の要求を満たすように設計されたプログラム可能なHAC830 が、コネクタに実装するアプリケーションなどに信頼性とコスト効率が高いソリューションを提供
フライブルク発2014 年10 月23 日
自動車ならびに産業機器向けに、革新的なセンサ・ベースのシステム・ソリューションを提供するミクロナス(SIX スイス証券取引所上場、MASN)は、23 日付で、HAL8xy リニア・ホールセンサ製品ファミリに、新たにキャパシタを内蔵したセンサが加わったことを発表しました。
多用途向けHAL83x の精度と革新的なシリコン・ダイを合わせ持つHAC830 は、キャパシタが内蔵されていて、小型の3 ピンTO92UP パッケージで提供されます。
HAC 830 は、実績のある、ジャンクション温度170℃までの動作温度範囲を持つCMOS テクノロジをベースに、過酷な環境でのオフセットと感度の精度と高い温度での安定性を提供する、HAL83x 製品ファミリ本来の利点を備えています。内蔵された2 つの100 nF 容量のキャパシタにより、8 kV の高いESD 耐性を実現し、バルク・カレント・インジェクション(BCI)試験などの厳しいEMC規格の要求を満たします。HAC830 はISO11452-4(オープン・ループ)とPSA B21-7110-C(クローズド・ループ)標準に従った300 mA までの放射イミュニティBCI 試験において耐性クラスA に位置付けられています。
ミクロナスのオートモーティブ担当副社長であるDirk Behrens は次のようにコメントしています。
「15 年以上、ミクロナスのHAL8xy 製品ファミリは顧客の支持を得てきました。それは10 億個を超える出荷数が物語っています。新しいキャパシタを内蔵したHAC830 は、顧客の設計に新しい利点を提供します。スロットル・バルブやターボ・チャージャなど、プリント基板を使用しないアプリケーションでは、HAC830 は、EMC 精度を向上させるだけではなく、信頼性を高め、モジュール全体のコストを削減します。TO92UP パッケージにより、超小型でキャパシタが内蔵されているHAC 830 は、スペースに制限のある設計に柔軟性を提供します。」
TO92UP は、他社のセンサと比較して小型です。直接リードフレーム、コネクタ、あるいは端子に溶接もしくははんだ付けすることが可能です。プリント基板を使用する必要がなく、システム全体のサイズの小型化とコストの削減を実現します。さらに、外部部品の使用やはんだ付け接合数が削減されるため、システム全体の長期間にわたる信頼性が劇的に向上します。
HAC830 はAEC-Q100 によりオートモーティブ標準の品質評価がされています。振動、パッケージ表面に高いポイント・キャスト力を加えての耐性、150℃までの環境温度にさらすなどの厳しい評価テストに合格しています。環境問題に配慮する、というミクロナスの宣言に基づき、TO92UPパッケージはRoHs 指令に準拠しています。
HAC830 のサンプルは出荷が開始されています。評価あるいは顧客が急ぎアプリケーションに搭載する場合、ミクロナスは特別なプログラミング・ボードと、それに必要な無償ソフトウェアを提供しています。
量産開始は2015 年年頭を予定しています。
HAC830 は、11 月11 日~13 日まで独ミュンヘンで開催される展示会、electronica ミクロナス・ブ
ース(hall A6, booth 213)で紹介されます。