自動車及び産業機器向けに、ASIL C 対応外乱磁場補正機能を 備えた新しい 3D HAL®センサを発表
- HAL 3930-4100 (シングルダイ) 及び HAR 3930-4100 (デュアルダイ) は、外乱磁場補正機能を備え、 PWM と SENT 出力インターフェースをサポートする高精度な位置検出用ホールセンサ
- HAL 3930-4100 (シングルダイ) は、ASIL C 対応製品であり、ASIL D を要求するシステムに搭載可能
- ステアリングアングル検知、トランスミッション位置検知、シフターポジション検知、シャーシ位置検知、アクセル及びブレーキペダル位置検知に最適**
2023 年 11 月 28 日
TDK 株式会社(社長:齋藤 昇)は、自動車及び産業機器アプリケーション向けに新たに HAL 3930-4100 及び HAR 3930-4100 をラインナップに加え、ミクロナスブランドの 3D HAL® 位置検出センサ製品ポートフォリオを さらに拡充します。両製品ともに外乱磁場補正機能を備え、高精度な位置検出が実現可能です。また、PWM と SENT という2つのデジタル出力インタフェースをサポートし、設計の柔軟性を高めています。HAL 3930-4100 (シングルダイ) は、ISO 26262 で規定された SEooC (Safety element out of context) ASIL C に相当し、ASIL D を 要求する車載システムに搭載可能です。これらのセンサーは、ステアリングアングル検知、トランスミッション 位置検知、シフターポジションの検知、シャーシ位置の検知、アクセル及びブレーキペダル位置検知に適してい ます** サンプルは既に提供可能で、量産は、2024 年 1 月開始を予定しています。
両製品ともに、ユーザーが設定可能な PWM 又は SENT 出力インタフェースを備え、アプリケーションの設計柔 軟性を高めています。さらに、汎用性の高いハイ/ロー信号を出力するスイッチも内蔵しています。センサが検知 し算出された位置データ、シグナルパスに沿った温度や磁場振幅など他の情報もスイッチの信号源として活用で きます。HAL 3930-4100、HAR 3930-4100 とも ASIL C に対応したデバイスであり、起動時及び通常動作中にセ ルフテストを行うことで製品自体の信頼性を高めています。セルフテストは、センサが誤った読み取り値を出力 することを防いだり、SENT 標準又は PWM 出力時の診断レベルで定義された問題をレポートします。
HAR 3930-4100 は、 HAL 3930-4100 のデュアルダイバージョンであり、構造的にも電気的にも完全に独立した 2つのセンサ・ダイを内蔵し、冗長性を確保しています。2つのダイは上下に積み重ねて配置されており、ほぼ 同等レベルな磁場を読み取りながら同期された信号を出力します。冗長設計を1つのパッケージで実現すること によって、基板サイズが小さくなり、半田接合も少なくなるため、アプリケーション全体のコストダウン及び信 頼性強化に寄与します。HAR 3930-4100 は コンパクトな SSOP16 パッケージ、HAL 3930-4100 は SOIC8 パッケ ージにてご提供します。
HAR 3930-4100 及び HAL 3930-4100 は 360°回転検知、直動、3D 測定を含む多種の測定をサポートします。 3D 位置情報(ジョイスティックモードを含む)は、SENT 出力又は 2 本の PWM 出力で送信可能です。さらに、 シャーシ位置検知センサに適合するモジュラー機能が備えてあり、この機能により 360°の測定レンジを 90°、 120°、180°のセグメントに分割し、より正確な測定ができるようになります。
本製品には、オンチップ信号処理機能が付いています、検出した磁界成分から二つの角度を計算し、計算結果を デジタル信号に変換します。この柔軟性の高いアーキテクチャにより、ユーザーは不発揮性メモリのプログラミ ングを通じてゲイン、オフセット、基準値などの重要なパラメータを微調整できるようになり、特定の磁気回路 要件をよどみなくサポートすることができます。
用語集
- 外乱磁場補正機能: ハイブリッド車や電気自動車(xEV)のモーター、ハーネスなどから発生する妨害 ノイズとなる磁場の影響を受けず、安定した出力精度を実現する機能
主な用途**
- ステアリングアングル検知
- ギアシフターポジション検知
- ブレーキストローク位置検知
- トランスミッション位置検出
- パークロックアクチュエータの回転検知
主な特徴と利点
- 外乱磁場の影響を受けずに 360°回転検知及び max. 35 mm までの直動を検知可能
- 回転を検知するモードでは、センサと磁石間のメカニカルトレランスに対して高い堅牢性を持っている
- 設計を最適化しているため、回転を検知するアプリケーションではフィライト磁石を使用可能
- ISO 26262 に準拠した ASILC 対応 SEooC であり、機能安全が要求するシステムに最適
- -40°C~160°Cの広い動作温度範囲に対応しており、車載アプリケーションに適している
主要データ***
品番 | HAL 3930-4100 | HAR 3930-4100 |
パッケージタイプ | SOIC8 | SSOP16 |
出力フォーマット | PWM, SENT SAE J2716 rev. 4, スイッチ | |
角度エラー | ±0.6° @ 10 mT | |
検出磁場範囲 | 10 mT~ max. 200 mT まで (max. 磁場範囲は測定モードよって異なる) | |
機能安全 | ISO 26262 に準拠した開発、 ASIL C 対応 |
* HAL/HAR 39xy は、フラウンホーファー集積回路研究所(IlS)のライセンスを使用しています。
** 当社製品にて言及したすべての対象アプリケーションは、実現目的/機能への適合性を主張しなく、システムでのご検証が必要となります。
*** すべての動作パラメータは、実際のアプリケーションごとにお客様にてご検証いただく必要があります。
TDK 株式会社について
TDK 株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニー を目指しています。 独自の磁性素材技術をその DNA とし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。 当社は各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で 1935 年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデン サ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧 力、磁気、MEMS センサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池 などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambda が あります。 アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシュ ーマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2023 年 3 月期の売上は約 2 兆 1,800 億円、従業員総数は全世界で約 103,000 人です。
製品の詳細情報は https://www.micronas.tdk.com/en/products/direct-angle-sensors/hal-39xy からご参照できます。
報道関係者の問い合わせ先
セールス& マーケティング
Ms. J. ANDRIS
TDK ミクロナス株式会社
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